踵の深さ、ヒールの高さを左右合わせる話

靴は、正面から見て「この靴いいな」と評価するのですが。
手作り靴の技術は、踵側から見ることで表面化します。

靴は、木型に革を巻き付けて作ることから、木型の形になってしまいます。
木型があることで、大きく外れることはありません。
鯛焼きの型に小麦粉入れると、鯛焼きになるようなものです。

しかし、ヒールについては、「無の空間」へ作り上げていくものです。
木型のようなガイドがありません。
そのため、左右非対称、高さの不揃いが簡単に発生します。

そして、踵の深さは「釣り込み」によって左右を合わせる必要があります。
釣り込みの技術によって、左右非対称、足が入る深さの不揃いが簡単に発生します。

そのことから。
「ヒールの高さ → 左足の小指側、親指側。同じ高さか。」
「ヒールの高さ → 右足の小指側、親指側、同じ高さか。」
「そのうえでヒールの高さ → 左右の高さは同じか。大きさも同じか。」
「そして踵の深さ → 左右同じか」
をチェックしながら作っていくものです。

靴は、左右で一対です。
左右を合わせる技術が求められ、片足では評価できないものです。

仮に。
ヒールの高さが左右で違う。
ヒールの高さが内と外でも違う。
踵の収まる深さが左右で違った場合。

これら、履きにくさに繋がるものです。
歩き方に影響することから「靴による健康被害を招く」原因と考えています。

靴を靴として作ることができなければ「木型補正」も活きません。
当教室が、踵からの写真、両足揃えた写真を載せているのは「靴を靴として作る」ことを大切にしているからです。

「靴を靴として 左右合わせてしっかり作る。丈夫に作る」ができたうえで、木型補正、製法があるのだと思い指導しています。

踵の深さ、ヒール高さ、左右合っています。
靴作り注意点
黄色の○をアゴと言います。アゴが浮くのは不適。