対象
■ プロコース(手製靴)は、精度高い手製靴作りを学びたい方を対象としています。
お客様の悩みを技術で解消する者を育成します。
■ プロコース(修理業)は、現在、靴修理業従事者を対象としています。
精度ある修理、根拠ある修理を行える者を育成します。
■ 日頃から、相手を尊重できる、思いやりをもって仕事をしている方を対象としています。
私は、これまでの経験や技術よりも、「人間性、社会性」を重視しています。
■ 以下の方は、プロコース対象外です。
・プロになる気はないけど、他校よりも安価に覚えられるからプロコース希望
・自己表現のためにプロコース希望
・個人事業で革鞄、革小物を作っている。靴も売りたいからプロコース希望
・靴磨き業従事者
学ぶこと 一覧
・靴は、内羽根、外羽根、パンプスが基本の3型です。
これらができれば、その他靴種は応用で作れるようになります。
3型を作りながら、多岐に技術を高めていきます。
・下記に一覧表を載せていますが、それに限らず、生徒さんが学びたいことは対応できます。
一覧表の内容は課題ではありません。
学ぶことができる主だったものを書いています。
・ 靴用語については、こちらをクリック
・ 生徒さんが作った靴は、こちらをクリック
科目 | 学ぶ内容 |
① 外羽根、内羽根、パンプス | 製甲、底付け、型紙、デザイン |
② チャッカブーツ、ホールカット | 〃 |
③ ローファー、サイドゴア | 〃 |
④木型補正 | 足に合わせた靴作り |
⑤資材加工 | 精度の高い靴作り |
⑥道具の仕立て、使い方 | ハンマー、コテ、ワニ、包丁、針類 |
⑦ミシンの調整 | 使い方、調整方法、手入れ方法 |
⑧靴修理 | 精度について学ぶ、靴修理全般 |
⑨性差に応じた靴作り | 足に合わせた靴作り |
⑩足のこと、歩くこと | 足に合わせた靴作り |
⑪資材 | 資材選定、資材特性(革、副資材) |
はじめに
私に学んだ方には、「私の先生から受けた技術」をその次世代へ繋いでほしい。
そのために「靴職人コース、仕事に活かすコース(修理業・生産工場勤務)」を運営しています。
先人の日本の靴職人達が積み上げてきた技術をしっかり伝えたいと思っています。
社会人だけど、「高校生が専門学校を選ぶ」ことと同じ感覚で探されている方は、当教室のプロコースは不向きです。
「社会から求められる仕事の水準」を知らない高校生は、「組み立て方を教えてもらったら作れるようになる」と考えると思います。
「社会から求められる仕事の水準」を、しっかり仕事をしてきた方は知っています。
①「学ぶ内容が社会で活きる内容、通用する内容」なのか考えられる方。
②「社会から求められる仕事の水準」を経験してきた方。
③見えない部分こそ丈夫に作る必要があることを考えられる方。
④講師である私の技術、私の指導、説明を審査する気持ちで学べる方。
①~④をご理解いただける方は、以下をご一読いただきプロコースをご検討ください。
■「先生が言うことは正しい」と丸飲みする方、聞いていれば作れるようになると盲信する方。
当教室のプロコースは不向きです。他校より選定されてください。
全国にある学び舎から、独立志向の学生が年間何名卒業してきたのでしょう。
仮に年間、100名いるとします。
そして、それは約20年前から行われています。
そして、この間どれくらいの方が靴産業を営んでいるでしょう。
そして、事業を継続できている人は、どれだけいるのでしょう。
このような考え方で測ってみたことはありますか?
仮に、独立志向の者が相当数存在し、20年間あるならば、「靴作りに興味あるから知ってる人いないかな」と周りを探せば出てくる数ですが出会いません。
多くは、技術に自信が持てなかったからではなく、「覚えられないから」と捉えています。
何人からも相談を受けてきたことと、私自身が見聞きしてきた経験から思います。
・覚えられない、作れないのは、その人の学び方が問題だったのでしょうか。
①「初心者は何も分からない」×「手順を体験して満足」×「決まった課題をやる」×「理解が甘い、作り方だけ学んでいる」を組み合わせる。
②「不出来すぎて、人に見せられない」 → 「やっているうちに覚えると思い込む」 → 「覚えられないのは自分が理解が悪いから」と考えるようになる。
③先生に質問する」 → 「怒鳴られる」 → 「いつも怒鳴る」 →「分からない、楽しくない」
④2年くらいで、先生と同じくらい作れるようになったと思えた。→ 社会に通用する仕事の水準? → 教室の中で通用する水準?
①~④いずれかに該当すると、物づくりを辞めてしまう。
作った靴を見せてと言われるのが嫌で、靴を学んだという過去を隠してしまう。
(「2年くらいで、先生と同じくらい作れるようになったと思えた。」は、「教えるのが上手と捉えるのか」、「2年くらいで追いつけるような見本と捉えるのか」で見え方は違いませんか?)
このような考え方で測ってみたことはありますか?
「決まった課題」を事前に示すと安心すると思いますが、必要か否か初心者は判断できません。
契約期間を埋めるための課題なのか、学ぶ必要がある課題なのか、判断できません。
また、「初心者」と分かって受け入れて、「質問を拒否」するというハラスメントを受けると辛い時間にしかなりません。
「課題は示されているが、実態は、質疑を避ける」では学べません。
「課題は示されているが、卒業の足かせにする課題」では学べません。
「初心者」と分かって受け入れて、「怒鳴る」というハラスメントを受けると辛い時間にしかなりません。
「怒鳴る」という行為は、下手だから教えられないことを隠すための行為。
自分を王様にしたいために、恐怖政治を敷いています。
「質問を拒否したり、質問に対して怒鳴ったり、無視される環境」では学べません。
これは、私が見聞きしてきたことです。
■「物づくりを辞めてしまう」人が多いこととは。
私が願う「先人の教え、技術をその次世代へ繋いでほしい」と反しています。
靴職人が積み重ねてきた技術が消えてしまいます。
■そのことから「学費の高さ」は。
・「靴作りを覚えること」、「開業すること」と、関連していないことが分かります。
・「高額だから、きちんと教えてもらえる」は、何も知らない人が考える「そうだといいな」でしかありません。
技術を繋いでいくためにも、通いやすい学費であるべきと考えて運営しています。
当教室は、
・楽しみながら作り覚えていくこと。
・技術を学び、先人の技術の深さに感動、面白さを感じる教室にしていること。
・「負担を少なく、続けやすい学費」にしていること。
・学べることを示しますが、必修課題として示していないこと。
それは、しっかり学ぶために必要なことだからです。
どのような仕事でも、社会に通用する水準未満であれば淘汰されます。
新しく生まれてくる次年の人たちとの差を作れません。
それを2年間という限定した期間で学ぶことのリスクを考えてほしい。
始めてピアノ習って、2年後にお金をいただくピアノが弾けるか考えてほしい。
「親のお金で学ぶ。リスク管理したことがない、仕事をしたことがない、高校生が専門学校を選ぶ感覚では、当教室は不向き」です。
「高額(きちんと教えてもらえる気がする)だとしても、ハンドソーンがいい(最高の技術覚えたら、他もできるようになる)」と思われる方には不向きとなります。
私に対して、「2年くらいで先生と同じくらいの作れた」とは思えませんので安心して学んでください。
始める前に知っておくこと その1
多くの方は、「組み立て方、手順」を学ぶことで「靴を作れるようになる」と思っています。
それは違います。
・「組み立て方、手順」を知ることは、基礎でもなければ、技術でもありません。
家具の組み立て方の説明書を見て「基礎力、技術力」ついたと思いません。
組み立て方の説明書は手順書。
手順は、技術でも基礎でもありません。
「靴を作れるようになる」という意味ではありません。
・「靴を作れるようになる」には。
先人が積み重ねてきた「やってはいけないタブー」、「基礎力」を学ぶことが最も大切なことです。
「基礎力」が無ければ、「やってはいけないタブー」が分からないためやってしまう。
壊しながら組み立ててしまう。
良質な資材を、低い精度で加工する。
作りの悪い資材に変えたものを、低い技術で組んでしまう。
初心者は、点検するのはミシンと形くらい。
見えない箇所まで、しっかり作られているか分からない。
それが、基礎力をつけると外からも、見えない部分の雑さ、低い精度が分かるようになる。
「分かる」ということは、自身はそれをやらない「基礎力があり、精度も高い」と言えます。
手製靴は、手で加工するため、精度が簡単に低くくなります。
手順のとおり組んでも道具として成り立たないことが発生します。
・「望ましいと、望ましくない」、「良手、悪手」どちらからも学びます。
組み立て方を示すことは、当たり前のことです。
その組み立て方を一度消化しただけで、「作れるようになった」と誰も思いません。
しかし、短期間で課題を消化していくためには、甘いまま進んでしまうかもしれない。
・道具の仕立て、構え方、望ましい使い方。
・革のこと、厚み、強度、良い裁断、悪い裁断を知る。
・型紙、履き良いデザイン、履き悪いデザインを知る。
・ミシンの整備、縫製の良さ、縫製の悪さを知る。
・資材の加工、精度の出し方、精度の悪さを知る。
・手縫いの方法、悪い手縫いを知る。
そして、これ以外にも沢山学ぶことがあります。
期間限定した時間のなかでは、「組み立て方」、「良手」、「悪手」を学ぶことができるか考えてみてください。
学びではなく、消化になりかねないのです。
当教室は、必修課題終了なることを卒業条件にしていません。
次は何を覚えるか、何を覚えたいか、話し合い、提案しながら進めていきます。
場合によっては、「もう一度やりたい」、「少しパターンを変えて同じ製法をやりたい」など、復習要素を増やしながら新たな学びを入れるなど臨機応変に進めます。
また、生徒さんの店に持ち込まれた修理の相談、生徒さんの実際に行った修理への審査、提案など、教室が用意したものではない「生徒さんの現場の出来事」を活用し進めることもあります。
・生徒さんの内側から生まれる「こんなことを学びたい」を高めること。
・生徒さんの作りと、講師である私の作りとの差、よりよい見本を提示し目の前で作業すること。
「自分もできる」と思えるように進めていくことが先生の役割だと思っています。
「手順を教えることが講師の仕事では、生徒は何も分からない」
私が受講側ならば、そんな人に習いたくないので誠実に指導しています。
多くの科目を、限定した期間のなかで多くの靴種を覚えようとするとXヵ月にX足の速さで作ることになります。
作ること、課題に追われてしまい、「作り方を学ぶこと」に終始してしまうかもしれません。
「理解、基礎力を付ける前に、次の課題が来てしまう」を、いつ、どう解消できていくのか。
「課題を作ったけれど、理解できていない」を、いつ、どこで解消できていくのか。
「自分は、契約期間内に終わるから大丈夫」と、みんな思って始めています。
にもかかわらず。
卒業後、更に追加して補習を続けること前提になっていれば、年間計画(案)は破綻していると言えませんか。
そもそもで、契約期間というものの設定が不要になると思えます。
「示された期間内で終わらないのに、課題数は決まっている」ことは「卒業できない足かせ」と思えます。
・「プロコース卒業後も2年通学したが、一人で作れない。」
・「プロコースの課題が終わらないので、3年以上いるが卒業が見えない」
・「どの材料選べば良いか分からない」
・「卒業して作ったお客さんの全てから返品された」
・「プロコース卒業しているが、包丁が切れるか分からない」
・「契約期間に課題が終わらない人ばかり。何年も通っている。いつ卒業できるのか」
このような相談を受けてきて思います。
「ある一つのやり方を なんとなく知っただけ」で、「自分には基礎がない」ことを相談者自身が知っています。
課題が最初に示されていることは、将来不安が少ないことは分かります。
「それをやれば、私は靴職人になれる」と青写真を描きやすいことも分かります。
分かりますが、改めて。
課題が終わらないことが普通である。
契約期間延長して追加講義を受講することが「ほとんど」であれば、その計画は破綻しています。
その期間では終えることができた割合、できなかった割合、理由が示されていないのならば、「自分だけは大丈夫」など思わないでほしい。
「何覚えられる」「何できる」という「有益性」がその期間内に得られるのか、評価者がいません。
「何も知らない人が、何も初めていなううちに 安心するため」の誘引になっている。
「社会から求められる仕事の水準、仕事の提示、業務遂行スケジュール管理」
しっかり仕事をしてきた方は、改めて考えてみてください。
「そんなことをやったことがない」ならば、破綻した計画でも良い話にしか見えないことが分かります。
社会人経験が浅く、責任ある仕事の経験が浅いことで、流されてしまうのだと思います。
仕事では、「終わると言って終わらない」が何回も、何年も、続くことはありえません。
そうなる理由を探し、改善していきます。
事実と離れた誇大広告、嘘のスケジュールを示し続けることは不誠実と評価されます。
当教室は、「必修課題」は無し。自由に終わりです。
高額な学費、高額な入会金もありません。
指導者として、終わらない学びにしたくありません。
先導者が、これから前に進む人を支えるなら分かりますが、終わらない足かせになるのは前に進む邪魔をしていることです。
「必修課題」があることで、短期間での学びで甘くなること。
卒業という線引きを引けなくなることを避ける。
そのことから、「必修課題」は不要としています。
月2回の通学だとしても、課題などなくとも、必ず作れるようになります。
当教室は、「2年くらいで先生と同じくらいのできた」と思えませんから、安心して学んでください。
もっと学びたい、技術を知ることが面白い、と思っていただけるよう指導者として向き合っています。
物作りは、基礎をしっかりしないと追熟しないと考えます。
基礎があるからこそ、手を動かし追熟することができ、自分で作れるようになるのだと実感しました。
私の教室を離れてから、より成長できるようにするには「基礎力」です。
去年のAさん、いまの自分、来年のBさん、みんな同じような靴を作っている。
差異はどうやってできるのでしょう。
同じ質の技術力の人が、毎年生まれていって競争するのです。
基礎があれば、自分の色を入れて作ることができます。
基礎力があれば、向き合い続けるほど「技術」は高まっていく。
しっかり仕事をしてきた方であれば、理解いただけると思います。
・当教室のプロコースでは、全てのことについて「基礎知識」「基礎技術」「作業目的の理解あるうえでの技術研鑽」を柱に進めていきます。
社会人になってから、学び始めることは経済的リスクが大きく発生します。
・退職して背水の陣を敷いてはなりません。
退職して学ぶことは経済的負担が多く発生します。
限定した期間で取り組むことを決め、退職して貯金を切り崩して学ぶことについて勧めません。
靴作りを学ぶなか
・心が靴作りに追われてしまい、向き合えない気持ちになるときがあります。
・難しすぎて嫌になることもあります。
・靴作りに、どれだけ時間を割けるかもわかりません。
・経済的負担から辞めたくなるかもしれません。
・覚えることができたか、やる気が維持できるか、何も分かりません。
・教えられていることを審査する目もありません。
・どんなに覚悟を決めても、大きい投資に見合う回収ができるか分かりません。
やる前は、何も分からないのです。
(「何も分からないのに、分かった気になる高校生の感覚で、親のお金で、どこの専門学校を選んでも本人は痛くもない。」とは違います。社会人が学ぶからこそリスク管理が必要です。)
覚えたいことも、面白さも、難しさも、やってみて分かります。
始めてから知ることができるものです。
働きながら、退職せずに学び始める。
覚えていくなか、「そのとき、そのとき やれることをやってみる」
腕を試しながら、不足を学んでいけばいいのです。
地方から上京する方は、靴修理店で働きながら学ぶことなど検討してみてください。
面談のときに相談にのります。
・「理解」には、直接靴を触っていないときの時間も大切です。
少しずつ学んでいい、楽しんで作っていいという「ゆとり」も大切です。
靴作りから離れ休憩する時間も大切です。
休憩しながらも、靴を気にできる、向き合い続けられる方が作れるようになるのです。
手を動かしている時間だけが、靴作りを学ぶ時間ではありません。
経験を重ねるなかで、理解のきっかけに出会うことがありますし技術を手が覚えていきます。
休憩していても、背中を向けていても、アンテナを立て続けていると、ある日閃きが生まれます。
靴作りを学ぶには、浸透していく時間が、とても大事なのです。
浸透することは、本当に少しずつ。
自分で考えることで、手を動かしていないときでも成長していくのです。
浸透させるためにも、最初はゆっくりと進めることが大切だと思っています。
少しずつだけど自分は成長していると実感することがとても大事です。
・急いで基礎の弱いビルを作ってはなりません。
基礎と基礎が組み合って、より強固なものが必ずできるので焦ってはいけません。
私の見本と比べたとき、気づかなかったことも、少しずつ気づくようになります。
精度が出ていないことも、少しずつ訓練することでできるようになります。
「毎日通学したとしてどう思うか」、「週3回通ったらどう思うか」、「当教室に通ったらどう思うか」
一足以上作っている生徒さん達は、どう感じているか聞いてみてください。
始める前に知っておくこと その2
靴作りの残念なこと
素人でも誰でも、粘土遊びのように木型をいじることはできます。
そして、
「木型補正は、ブラックボックス。最高峰の技術」
「木型補正できるようになれば、何でもできる」と思われるのですが、全く違います。
素人でも誰でも、粘土遊びのように木型補正のふりはできるのです。
粘土遊びできるなら、補正なのか、改悪なのか、何かができます。
木型補正の技術とは、「木型に肉付けすること」ではありません。
①肉付けした木型へ、すぐにデザインを引くことができる
②肉付けした木型に応じた型紙を新たに作ることができる
③肉時付けした木型に応じた型紙で作った甲革を木型に寄り添う釣り込みができる
①~③を木型補正に応じて、すぐに靴を作れる技術を「木型補正」と言えます。
どれかでもなければ、木型補正が望ましいのかも分かりません。
点検しようがありません。
点検しようがないのに、「木型に肉付けするやり方を知る」
それは、いますぐに誰でもできることです。
最高峰の技術ではなく、ただの粘土遊びになります。
・そのことから、木型補正は、「素人でも誰でも粘土遊びのように木型いじることができる」けれど、それ単発では役に立たない。ただの粘土こねこね木型遊びです。
「① デザイン技術」、「② 型紙技術」、「③ 釣り込み技術」
①~③が未熟なうちに「木型補正」を行っても、合否判断はできません。
そして、未熟な木型補正は、改善ではなく改悪。 家を出て、駅まで歩くことはできません。
既製品よりも、ずっと歩けません。
外反母趾などの健康被害を更に悪化させます。
「足に合わせて作ったのに既製品より歩けない」が簡単におきてしまいます。
オーダーなのに、履けない靴。
お客さんから何回も返品されてしまう。
これも、作ることを辞めてしまう原因の一つです。
素晴らしい技術理由を謳ったとしても、履いて問題があるのならばその理由は適当ではありません。
靴は履いて良し悪しを判断するものです。
生徒さんへ「作った靴の感想」を聞いてください。
どれくらい履いているか、歩きやすさなど最も信頼できる情報ではないでしょうか。
製法は、靴底を取り付ける手段でしかありません。
履き心地も寿命にも、何も関係しません。
靴作りの難しさも、セメント製法とハンドソーンウエルテッドに差はありません。
ハンドソーンウエルテッド製法とマッケイ製法なら、マッケイ製法の方が履き心地良く作れます。
山靴に望ましい製法であれば、硬くて街歩きには不向きです。
逆に、ダンスシューズに望ましい製法であれば、山歩きには不向きです。
労働者の靴と、貴族の靴では製法も違います。
そうやって、製法は生まれてきたのです。
向き不向きは、製法の個性です。
場所、用途に応じて「履き心地」の評価は変わります。
個性には、硬さ、しなやかさがあるため、「履き心地」を混在させてしまいますが、
製法による難しさの差はありません。
「難しい」ではなく、「精度を求められる工程が多い」です。
「工程数が多いから難しい」にもならず、「工程が少ないからこそ難しい」もあります。
手縫いには手縫いの難しさがあり、セメント製法にはその製法なりの難しさがあります。
A製法が作れるから、B製法も作れるとはなりません。
主観ですが、革の厚み、革の柔らかさ、型紙の精度、釣り込みの難しさを考えると、紐靴を作ることができても、パンプスは作れないかもしれません。
「パンプス」は最も単純な構造でありセメント製法が主ですが、作り上げることは最も難しい靴です。
婦人靴は、「革が柔らかく薄い」
紳士靴は、「革が厚い + 裏に芯地を貼っている」とは違います。
力まかせに釣り込むとデザインのとおりに再現できません。
甲がない靴なので、型紙の精度が悪いと淀んでしまう。
不適当な木型補正をすれば、市販品のパンプスは履けるのに、自分が作ったオーダーパンプスは履けません。
歩いて10分もしないで、痛くて歩けなくなります。
セメント製法は初心者向け、簡単な製法ではありません。
ハンドソーン製法は、上位技術者向け、難しい製法ではありません。
工程が多いハンドソーンウエルテッド製法だから、この製法が作れたら、他の製法は軽くこなせると思われやすいのですが違います。
何に関しても、あれができるから、これは簡単とはなりません。それぞれ難しさがあります。
プロコースを希望することは、人生に影響があるかもしれません
■目標に向かうためには
・退職する覚悟を持って始めたからと言って覚えられることと関係ない。
・「お金をかけないと、きちんと教えてもらえない」は、覚えられることと関係ない。
・1回の出費が大きいと、生活が不安定になりやすい
・1回の出費が大きいために、後に、ミシン、革漉き機、道具を買えなくなりやすい。
・甘い理解で進むと、後に成長できなくなる
・良い見本に触れないと、良いも悪いも比較できない
・向き合えないとき「休むことは さぼりではない」ことを知っておく
・靴作りが嫌で嫌で仕方なくなるときが、まあまあくることを知っておく
■相談事例
・高額な学費を支払ったのち、追加学費が発生し、生活が苦しい。靴作りが楽しめない。
・2年で作れるようになると思ったが、「何も分からない、一人では作れない」まま卒業。
・2年の我慢と思ってやってきたが、課題が終わらず引き続き通学することになり経済的に辛い。
・学校卒業して、すぐに開業したが、2年持たせられず廃業した。
・自分の靴が雑すぎて好きになれない。
・先生のパワハラ、不機嫌を耐えてきたけれど疲れてしまった。
・教えてもらったとおりに作ったけれど、足に合っていると思えない。歩けなかった。
私が相談を受けた最も多い事例。
靴探しに困っている、地方出身の、仕事をして数年の女性
「満員電車に揺られて、日々疲れている。仕事も変えたい。地方から出てきて社会人経験は、まだ数年。靴が好き。いつも、靴探しに困っている。 そして、足が小さい私。足が大きい私。外反母趾な私。女性の革靴がない私。」
そんな背景の女性が「靴探しに困っている人へ、あなたが提案できたらいいんだよ」とあこがれる。
「学費は高額だけど、退職して2年間頑張る。地元に戻って開業するため技術を身につける」と夢を見る。
そして、課題を消化しただけ、何も分からない。
質問しても、何教えられているか分からない。
質問しても教えてもらえない。
先生が不機嫌になる。
社会に通用する業務水準からは遠い。
課題が終わらないから、引き続き通学することになって経済負担の終わりが見えない。
上手くなっているなら分かるが、けなされて作って、雑な靴しか作れない。
・技術不足と経済負担、心理負担の三重苦による挫折。
そんな人を何人も見てきました。
退職して背水の陣を敷いてはいけません。
自分が靴を作れるようになるのに、どうすればいいのか考えられるよう一度趣味で作ることが適当です。
講師について
・技術面
一年、二年程度の勉強を終えたばかりの者が補助、指導していません。
革靴製造一級技能を有した者が直接指導します。
・販売実績を持った後に開業
身内、友人ではない、お客様に相当数の靴を販売してきてから店を構えています。
(学校を卒業して、そのまま学校の講師になって教えた。販売経験が少ないままお店を持ったわけではありません。)
・靴設計に活かせる経験
前職時代は高級紳士靴を沢山履いてきましたので、既製品の良さを知っています。
履いてきて作り手になるのと、履いてこないで作り手になるのとは、作りが違うと思います。
既製品の良さを知っていることは、私の背骨になっています。
・社会経験
作り手になるまで、前職をきちんと仕事をしてきました。
社会経験の少ないまま「手製靴作り」に入っていません。
社会経験を積んだことによって生まれる「責任感のある仕事」をする意志。
仕事と同じように靴作りを覚えました。
「課題」と「改善」をもって、技術向上してきました。
社会人経験により「社会で通用する業務水準」を学んだことは、靴作りを覚えることにとても活きています。
・伝える技術
前職は「説明する仕事」でした。
説明する訓練を行い、説明することの難しさを実感してきました。
「作れるから教えられる」ではありません。
①悪いパワーバランス
講師と生徒の間柄になると、パワーバランスから「言われたとおり聞く」になりやすい。
そのため、「何を説明しているのかよく分からない。」があっても、質問しにくくなりやすい。
重ねて、説明技術がない者、説明する気がない者に説明されたらば、全く理解できない。
パワハラ講師の機嫌を損なうと教えてもらえないと思い質問もできない。
・質問しやすい環境作り、質問しやすい人間性を心がけています。
・見学時に、指導姿の点検、生徒さんへ学んでみての感想を聞いてみてください。
・パワハラして質問をさせないことは、下手をごまかす行為だと思っています。
②汚いパワーバランス
完成後、うまくいかないとき、「あなたの身体に問題があるから」と言う。
いますぐ改善できない理由をつけて「後付け論」をまかり通してしまえる。
完成前から事実として整理できていることを踏まえて作るのが誂え靴です。
そのことを診るために、技術、理解を高める必要を説いています。
しかし、講師からそのような説明を受けると「私の身体のせいかな」「私の理解不足かな」と思うようになる。
・生徒さんの身体のせいでも、作りのせいでもなく、講師である私の指導不足、私の下手さが原因です。
・私からの指導を受けて作って、うまくいかないときは、講師である私の責任です。
質問のしやすさ、聞きたいときに聞ける人間性、相手の理解力に応じて説明すること。
質問しにくい指導者では、学ぶ方が伸びることはできません。
・「やれば分かる」という指導もしません。
・「後付け論」を語ることもしません。
それらは、前職時代から指導責任を放棄したやり方、ごまかすやり方だと思っているからです。
「分からないから学んでいる」ということを心に置いて指導しています。
私の教室は、楽しんで覚えていく教室です。
◆技術・木型補正・シューフィッティング
・第三者より認定された革靴製造一級技能を製甲と底付けの2種類取得しました。
靴は分業制のため、一種類の取得の方が殆どです。
1種類取得した方が教える教室であっても、ほぼ存在していないと思います。
・パンプス、ハンドソーンウエルテッドなどの手縫い靴を作れます。
婦人靴、紳士靴、どちらも作れます。
・ドイツ国際靴職人技能コンクールは、ハンドソーンウエルテッド製法で金賞、名誉賞を獲りました。
装飾性のない紳士靴ストレートチップ、装飾性のブーツ、どちらも金賞です。
どちらも、ハンドソーンウエルテッド製法です。
・シューフィッティングは、シューフィッター最高位、バチュラーの生徒さんへも指導しています。
靴小売店、靴修理屋、靴メーカーの生徒さんに活かされています。
技術評価の技能試験を2種類、技術・装飾性の国際大会、どちらも第三者評価受けています。
技術力は分かりにくい、見えにくいので、このことは当教室で学ぶ大きなメリットだと思います。
◆靴修理
靴修理を行っている者が教える靴教室はあまりありません。
「自分で作った靴」ではなく、「壊れた既製品を直せる」ということは、靴というものへの基礎力があるということです。
当教室の生徒さんからは、以下の声を聞いています。
・受付時の状態把握までが早くなり、受付時間の短縮
・修理手法、加工手段がすぐに浮かぶ。修理足数が増えた。
・加工技術の向上
・仕上げ技術の向上
・「他店でオールソール後に 履き心地悪くなった」というお客様が、リピートしてくれる。
・「他店で修理された箇所を見て、こうやった方がいいのにな」とより良い修理が浮かぶようになった。
・靴の相談が増えた。
修理屋さんの悩みには、以下のような方が多いと思います。
・修理手法が望ましかったのか。
・本当は靴のことをよく分からないが、先輩から聞いてやっている。
・他ではこんなやり方で通用するのだろうか。
そういった方が、技術力を改善できる教室です。
見学のとき、どのように技術が上がったか聞いてください。
◆道具の仕立て
■道具について
そのまま使うことはできません。
その人に合わせて調整できるように余裕を載せて作られているためです。
・ハンマー、針など、道具加工について指導しています。
■焼きコテについて
焼きコテは、靴のコバと、コテが違う形になっては意味がありません。
靴のコバが汚く仕上がっては意味がありません。
・望ましい二重爪になるように 焼きコテの加工。
・望ましい二重爪になるように 底材の加工を指導しています。
■包丁について
他校プロコース経験者へ改めて指導したこともあります。
無料動画を見て研いでいる方へ改めて指導したこともあります。
(どの無料動画についても、私が指導する内容と全く違います。)
・望ましい仕立てがあり、包丁本来性能を引き出す指導をしています。
当教室は、道具の仕立てについて学ぶことができます。
最後に
私は、先人の技術、成熟度を下げないようにして繋ぐことが「いまを生きる作り手」と思っています。
自分の先生から受けた技術を繋ぐ。
自分の先生が現役だった頃の手製靴時代の技術を絶えさせない。
自分の技術を常に高める。
そう思っています。
私の教室を見学に来られる方は、沢山の教室を見て選ばれたと思います。
写真も大きく見れるようにしています。
平らな場所へ左右揃えて点検できるような写真を載せています。
これまであった質問も、自分が習う側に立って書いているつもりです。
かなり調べて、隅々まで読んで来られる方ばかりです。
私に習った方には、履き良い靴を作り、履き良い靴に修理し、靴に困っている人を減らしてほしい。
そして、技術を次へ繋いでほしいと思っています。
私の先生が気持ち入れて教えてくださったことへの礼は、次に繋ぐことだと思っています。
小さな靴屋に相談するくらい、靴で困っている人。
痛みを改善してもらえるかなと何度も期待してきたが、叶わなかった人。
そんな悩みの方へ、薬のふりした毒を渡してはなりません。
はりぼて作ることは、「靴作り技術」のふりした「靴を題材にしたアート」と嫌悪感を持っています。
私の先生に習った技術は、最高の技術です。
格好良い靴作ることの上位にある「履きやすい靴」「靴で困っている人が快適になる靴」を作る技術です。
その技術をきちんと渡したい。
教室から離れてから、
「かっこいい靴」よりも、「歩きやすい靴」
「製法」よりも、「また履きたくなる靴」を作れる人になってほしい。
見えない部分もしっかり作る。
はりぼて ではなく、履ける靴を作る。
技術と技術を組み合わせて、より丈夫にする技術を高めてほしい。
靴で困っている人へ技術で問題を解決する「靴職人、靴修理職人」
「自分の技術で悩みを解消してやる」という気概の者になってほしい。
アートは、静物。
動かない、飾るものです。
靴は、道具。
歩く道具です。
歩く道具として機能したうえで、置いた姿も楽しめるものです。
靴を置いた時の格好良さ、装飾性は、理解しています。
理解していますが、「靴作家・靴を題材にしたアーティスト」ではなく、「技術者」として「技術向上」に向き合ってください。
プロコースは、このことに向き合える意志を持った方の受講をお願いしています。
見えないところを精度高く作れるようになれば、外側の装飾性は作れるようになります。
「あなたに頼んで良かった。毎日履いている。履き心地いい。」と言われる靴を作れるようになってください。
参考資料 : 靴作りの工程
靴作りとは、およそ250工程あると言われています。
大きく分けると、「デザイン」「型紙」「製甲」「底付」に分かれています。
その工程を怪我なく、スムーズに進行するためには 「資材の選択」「器具機材の使い方」「道具の仕立て方」があります。
お客様の足に合わせて作るための「木型選択」「木型補正」があります。
そして、「足のこと」「 歩くこと」「健康被害」についての理解が求められます。
足が不快感を持ちにくいこと、壊れにくいこと、履きやすいこと、履きたくなることを設計、デザインします。
強度の確保、足への寄り添い方など同時に注意して設計します。
そして、大量生産品では生産性も考えて設計します。
強度確保が守られている縫い方、不快感を少なくする合わせ方、ミシン糸の締まりなど、多くの注意を重ねて作ります。
お客様の使用環境、足の健康状況に応じて複数種の製法で仕上げます。 (セメント製法、マッケイ製法、ハンドソーンウエルテッド製法など)
道具の 持ち方、構え方、使い方。誤ったときに製品に傷をつけてしまいます。
また、怪我しやすくなります。道具に100%の本来性能を持たせるよう仕立てます。
靴作りの全ての道具は、加工して使うように作られています。
誤った仕立て方をすると、怪我しやすくなります。
お客様の足のサイズ、大きさ、バランス、健康被害を考慮して、木型を選択、補正を行います。
靴は歩くための道具であり、見るためのものではありません。
歩行に対する勉強、足に対する勉強、健康被害の勉強に対して、常に向き合い理解を深めていく必要があります。