鳩目の話 - 白桃花靴店

靴作りに想うこと

鳩目の話

投稿日:2020年1月31日 更新日:

靴作り注意点

紐穴の金属を鳩目と呼びます。
そして、表面には鳩目が見えず、裏側に金属があるものを裏鳩目と呼びます。

その「裏鳩目」
裏鳩目があるから作りが良いとか、無いから悪いとか。
そんな見方もあるんだなと驚いたので書きます。

今どきは、裏鳩目はベロに金属が擦れて傷がつくとか、外れてしまうとかあって、あまり使われなくなったと捉えていました。

鳩目もなく、裏鳩目もない靴は、表革と裏革の間に、強度を上げる芯を挟んでいます。
裏鳩目が見えないからと言って使用上問題ありません。
強度確保されています。

靴は、酷使される道具です。
強度確保には、作り手それぞれが良いと思った選択をしていますので、そういうところでは靴の良し悪しは出ていないと思います。

どこの情報が、作れない方にそういう情報を信じさせているのか分かりませんが。
「作りの甘さ・悪さ」は、技術の組み合わせにより強度を上げられない場合に表面化するものだと捉えています。

裏鳩目の採用も、芯の採用も、どちらも望ましい選択です。

-靴作りに想うこと
-

関連記事

自分の木型 作りたくなること

靴学び始めると、自分で削った木型で作ってみたい。 そんな思いが発生する。 木型を開発するのに、 丸太から削り出す人 ベース木型から削り出す人 がいると思います。 多くは、ベース木型から始めると思います …

革裁ち包丁は必要なのか

革包丁って、工場で作る場合は必ずしも必要ではないかもしれません。 すぐに組み立てていけるように、最初から合わせて設計されているので、 必要ではないのかもしれません。 私のような極小規模の作り手になると …

ハンドソーンウエルテッド製法 すくい縫いの話

すくい縫いとは、細革を手縫いで縫い付ける作業。 ハンドソーン(手縫い) + ウエルテッド(細革)の作業です。 写真のように、中敷きの下にある素材「中底」へ段差を作り、靴の縁になる細革を縫い付ける作業を …

ハンドソーンウエルテッド製法 出し縫いの話

製法は、選択肢の一つでしかないので「ハンドソーンウエルテッド」を売りにしていない。 それがために、「あの人は、ハンドソーンできないんじゃない?」と思われやすいのかもしれない。 写真撮ったので、ハンドソ …

得意な作業ができるまでの話

製甲(革の加工、組み立て) と 底付け(釣り込み、靴底取り付け) が1級合格時は、今よりずっと技術不足だったと思います。 いまは、随分と技術が向上しました。 合格したものの。 当時は、1級下限ギリギリ …