靴作りに活かしていること - 白桃花靴店

靴作りに想うこと

靴作りに活かしていること

投稿日:2020年4月5日 更新日:

インスタに、スニーカー買ってきたとか、ワークマンで靴買ったとか。
靴を作れるので、なんで自分の靴履かないんだろうと思われたり。

生徒さんからも、ワークマン買うの?とか言われるのですが。

つい2年くらい前まで。。。
革靴製造1級を2つ取るまでは、暖かい季節はビーチサンダル。冬サンダル。

靴作りで悩んだとき以外は、革靴を履かないできました。

理由は、足の感覚を良くしておきたいから。
お客さんの足合わせに悩んだとき、革靴を履いて考えて、テストしてを繰り返す。

調香師は、香水つけないと思うので履かないできました。
(フクスケの社長も靴下履かないと聞いて、間違ってなかったと思えた)

 

一級を2つ取得したこともあり、靴に困っている方へ喜んでいただけたことも増え。。。
足合わせについても、靴作り技術についても一回落ち着いたなと思えたので靴を履くようになりましたが。
それでも自分の靴ばかり履いてません。

私は。
美術館に飾る壺じゃなくて、毎日使う「使いやすい皿」作りたい想いが強くあります。

靴は、どこまでいっても足が入らないと靴にはなれない。
飾り物にもならないと思っているから。

石や砂。障害物が沢山あるところで使われ、一日中屈折を求められる道具。
道具としての機能性を高めたものを作りたい。
靴を使った自己表現物は作りたくないのです。

お客様に求められたことに応じて作れる技術者でいたい。
生活が楽になるように技術をもって作りたい。

アート性のある靴は、すごい下手でいい。
歩くことが楽になったと喜んでもらえる靴作りを追いかけたいと想ってやってきました。

靴を履かないできた期間は、靴作りの背骨になっているし。
既製品を沢山履いてきた時間も、背骨になっています。
(足の感覚を鈍らせないために、靴履かないで生活するって そこまでみんなできないだろうと思うくらい大変)

ドラクエ開発した人は、マリオやったから新しい世界観を作れたと思う。
いろいろな既製品から、思想設計を感じて靴作りに活かしています。

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