靴は左右で一対ということ

「手順」と「技術」を混在させない。
靴は、左右で一対ということ。
左右を合わせて作るということは、最高難度の「技術」です。

左右を合わせて作ることは、とても難しいので、手製靴はここを確認することで技術力が表面化します。

踵の高さと履き口の精度

靴の踵は、ヒール部分(A)とその上に載る革部分(B)で構成され、A+Bで履き口の高さ(C)が決まります。
市販の靴では左右ほぼ揃っていますが、手作り靴ではわずかな差でも履き心地に影響します。

  • 右足の履き口が1mm高いだけで、片方の靴が浮くように感じる

  • 踵が深すぎると脱げやすく、浅すぎると歩くときに当たって痛い

日常の足の感覚で例えると、「家で片方の靴下だけがずれる」ときの違和感に似ています。
左右の高さや形が揃っている靴は、歩くときに足が自然に地面に吸い付くような感覚になります。

手作り靴での左右差の重要性

手作り靴では、左右の違いに注意を払いながら作ることが基本です。
微細な差に気づき、履いたときに足が自然に収まるよう整えることで、

  • 「歩くときに足が疲れない」

  • 「靴がずれずにフィットする」

  • 「見た目も左右揃って美しい」

といった完成度の高い靴を作ることができます。

日常の自分の足の感覚を思い浮かべながら作ると、左右差の意味がより実感できます。
手作り靴の楽しさは、こうした微細な違いに気づき、少しずつ整えていくところにもあるのです。

ストラップパンプス セメント製法

その他の左右差の例

  • ブーツの筒の長さ
    左右で揃えることで見た目も美しく、履きやすさにも差が出ません。

  • パンプスのえぐりの深さ
    片方はつま先から4.0cm、片方は4.3cm…たった3mmの差でも、見た目や履き心地に影響します。

  • ストレートチップや装飾の位置
    左右が揃わないと「違う顔」に見えるだけでなく、履き心地や歩きやすさにも差が出ます。

手作り靴では、釣り込みや作業時の注意力によって微妙な差が生まれます。

  • 履き口の高さは1mmの差でサイズ感が変わる

  • 踵の深さは2mmの差で脱げやすさに直結

  • パンプスのえぐりの深さも左右差があると見た目も履き心地も変わる

    ヒールの高さ、踵の深さ、左右合っています。
    手作り靴のチェックポイント

    趣味コース サイドゴアブーツ

    趣味コース サイドゴアブーツ

    チャッカブーツ ステッチダウン製法

趣味で靴作りをする方へ

左右を揃えることを意識して作ると、完成した靴はぐっと美しく、履きやすくなります。
手作りの楽しさは、こうした微細な差に気づき、少しずつ整えていくところにもあります。

左右を揃えて丁寧に作ること
それは靴作りの大切な基本です。