靴の道具の話 ワニについて

靴作りの道具について。

道具を作る職人さんも引退される方が多くなり、
最近では、ずっと使っていた包丁も手に入らなくなって、とても困っているところです。

そのなかでも、ワニと呼ばれる革を引く道具は、数年前から国産を購入することはできなくなっていて、
いまは、外国産(英、伊、台湾、中国)の品揃えになっています。

生徒さんへ使い勝手を説明する必要もあり、
英国、台湾、中国は、購入して使ってみました。
どれを使っても、きちんと作れました。
何も問題ありません。

道具の話を書いたので、靴教室の先生として思っていること。
道具が良くなければ、意図したとおりに作ることができません。
道具はとても大切なものです。

その道具。
磨いてばかりで 腕を磨かないのはダメで。
中古の国産を手にいれたことで、腕が上がる訳でもありません。
道具磨くなら腕磨け。
国産国産とこだわらず、腕磨け と思っています。

そして、ワニを選ぶお勧めですが。
手の小さい人は、材料屋オリジナルを削って加工すると持ちやすいと思います。
手が大きい人は、どれでも使えると思いますが仕立て加工は要します。

靴作りの道具は、加工すること前提で作られているため、
生徒さんがワニを購入してきたときは、使えるように加工から指導が始まります。
そして、持ち方、構え方と至ります。

ワニの良い見本を見て手に合わせた加工をすることで、使いやすいワニになると思います。

作れないうちは、道具の性能にこだわりがちだし。
国産のワニだと良い仕事するような気になるでしょうが。
外国産でも何も問題もありませんし。

一番大事なことは、構え方、持ち方、望ましい使い方ですよ。
これがあって、道具が活きるのです。