白桃花靴店

靴の話

木型の話

オーダー靴を作る最初の作業は、木型(きがた)という靴の形をした型に、牛革を貼り合わせて足に合わせていきます。木型は、靴のヒール高や形状によって変わり、まるで「足のための設計図」のような存在です。たとえば、踵が高い木型はハイヒール、低い木型は...
靴の話

釣り込みについて

靴作りで最も重要な工程の一つが、靴木型に革を引いて寄せて形を作る「釣り込み」です。市販靴は機械で釣り込まれますが、当教室では手作業で釣り込む技術を学びます。手釣り込みは、履き心地やデザインを最大限に活かすために不可欠な技術です。1. 釣り込...
靴の話

パンプスの難しさ

一見シンプルなパンプスですが、足に合わせるとなると最も難しい靴です。私は、ハンドソーンウエルテッド製法で紐靴を作るよりも、足に合わせたパンプス作りのほうが難しいと考えています。1. パンプスの難しさの理由紐がないパンプスは紐がありません。紐...
靴の話

靴作りに欠かせない道具と、その面白さ

靴作りで使う道具は、すべて加工することを前提に作られています。たとえば、Aさんの使い方に合わせて微調整される道具、Bさんの使い方に合わせて作られる道具があります。そのため、どの道具も少し余裕を持って作られていて、使う人に合わせて仕上げていく...
靴の話

靴は左右で一対ということ

踵の高さと履き口の精度靴の踵は、ヒール部分(A)とその上に載る革部分(B)で構成され、A+Bで履き口の高さ(C)が決まります。市販の靴では左右ほぼ揃っていますが、手作り靴ではわずかな差でも履き心地に影響します。 右足の履き口が1mm高いだけ...
靴の話

デザインの再現性について

靴作りにおいて、デザインを正確に再現する技術は非常に重要です。初心者の方が手作り靴の写真を見る際も、この視点を持つと「見た目だけではわからない精度」を確認できます。1. デザインの情報の流れ靴作りでは、デザインは次の順で形になります。木型 ...
靴の話

手作りという言葉

手作り靴に向き合うということ「手作り」と聞くと、温かみや、作り手の思いがこもったものそんな印象を持つ方が多いと思います。一方で、市販品というと「製品」という言葉が先に浮かぶかもしれません。けれど私は、日本の靴メーカーが作る市販品には、たくさ...
靴の話

足の測定に関して

教室では、「どこをどう測定すればいいですか?」と聞かれることがあります。でも、正解は一つではありません。30カ所測ってもいいですし、1カ所だけでも構いません。大事なのは、靴を履く人が喜べる靴を作ることです。測定箇所や数字の正確さだけにこだわ...
靴の話

最近思ったこと

学んでいたころ。私の先生は、○○さんの方が魅せる靴作るよ とか。○○さんの方が職人だよ とか。ときどき教えてくれてました。そんなこと言われたら、それは見たくなる。すぐ行く。結果、俺はそんなこと思わない。謙遜すぎと思う。(先生は、銀座の路面店...
道具の話

革裁ち包丁は必要なのか — 靴作りの基礎力

靴作りを始めると、まず「ミシンがあれば家で作れるのでは?」と思う方が多いです。確かにミシンは重要ですが、靴作りの要は革をどう扱うかにあります。たとえば、革漉き機。 量産する場合には便利ですが、少量の靴作りには必ずしも必要ありません。 当教室...