手作りという言葉 - 白桃花靴店

靴作りに想うこと

手作りという言葉

投稿日:2019年9月20日 更新日:

「手作り」というと、心がこもっている。
作り手の思いが入っている。
そんな印象だと思います。

反対に、市販品は、「手作り品」ではなく「製品」のような印象になると思います。

私の思いですが、
日本製の市販品の全ては、その会社の作り手の思いが入っていると思います。
工業製品でありながら、履く人を考え、コストを抑え、多くの人を幸せにしていると思っています。

逆に、「手作り」という言葉は「雑」、「作りの甘さ」を隠したいからだと思っているくらいです。

歩くことを考えるより、作るのが楽しいからが優先。
丈夫に作ることを考えることもなく、作るのが楽しいからが優先。
履きやすさを考えることもなく、作るのが楽しいからが優先。
珍しい靴作ってやろうと、浅い考えが優先。
作り手の楽しいだけが優先されている気さえする。

「考えることもなく」は、その人なりに考えているだろうはある。
それも正しいのですが、より良くしたいと追及しているか否かは出てしまっている。
それは、望ましくないことを続けているということ。

世の中に出回っていないにはわけがあって
履きにくい。
壊れる。
歩きにくい。
などが事実があったから。
単純に、誰も気付いていないから作っていないのではない。

壊れやすいところを、安易な縫い方している。
履きにくくなる場所に、余計なものを差し込んでいる。
足が当たって、こすれて血が出やすい作り。
履き口の深さが左右で違う。
踵の高さが左右で違う。
他にも沢山。
見ると、すぐに分かるのです。

先生の教えが正しいと鵜呑みにしている人は、自分なりに精査することがない。
「自分は始めたばかりで意見など言える立場にない。よく分からないので」とかすぐに言う。
そういう人は、お客様を考えない独りよがりな作りをすると思っています。
また、何年経過しても靴が汚い。靴にならない。

「手作り」だからできることは、細かな微調整ができるということ。
そのこと以外は、工業製品として作るものと思っています。
壊れず、希望に寄り添うように作るには、「工業製品」の精度がとても大切です。

日本のメーカーが作る工業製品の精度は、世界一だと思います。
履く人を考え続けている資材選定、作りの細かさに触れたとき、この会社すごいなぁと思いました。
いろいろな靴を解体して勉強してきましたが、日本の靴は本当に素晴らしいのです。

その道のブロが、より良くしよう より良くしようと悩んで出した製品精度。
自分が楽しくて作った半アマチュアの「手作り」
どっちが、「お客様の喜び」を追及しているかと思うのです。

木型に革を寄り添わせたら 靴 ではありません。
ここを本当に強く言いたい。
作りながら、壊しているようなものは 靴 ではない。
靴は、クラフト細工の延長線上にはないのです。

「しっかり靴を作る」ということを自身に言い聞かせ、生徒さんの心に伝えたい。

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