当靴教室では、主に以下の3つの製法で靴を作っていきます。
靴教室で学ぶ靴作りでは、主に以下の3つの製法で靴を作ります。
靴作りにおける「製法」とは、靴底を取り付ける手段を指します。
足が入る領域は、以下の製法がなにであれ同じとなります。
1. セメント製法 (ステッチダウン製法含む)
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靴底を接着剤で貼り付ける製法
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パンプス、紐靴などほぼすべての靴に対応
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特徴:靴底を貼り合わせるため、作業工程が簡素化され、短時間で仕上げられます。
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メリット:大量生産に向くため、市販靴の多くがこの製法です。
2. マッケイ製法
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中敷きの下にある「中底」と「靴底」を共縫いする製法
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パンプス、紐靴などに対応
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特徴:接着だけでなく、太い縫い糸で縫い合わせるため、靴底が剥がれにくくなります。
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メリット:軽くしなやかな履き心地を生み、4万円以上の紳士靴などで採用されることが多いです。
3. ハンドソーンウエルテッド製法
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「中底」と「ウエルト(細革)」を共縫いし、「ウエルト」と「靴底」をさらに共縫いする二重縫いの製法(複式縫い)
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主に紐靴で使用されます
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メリット:靴底の交換が可能で、市販靴ではほとんど見られず、注文靴に多く用いられます
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この製法から派生したグッドイヤーウエルテッド製法では、大量生産でも靴底交換が可能です
製法はあくまで手段
初心者の方は「製法ありき」で靴を作ろうと考えがちですが、製法はあくまで手段です。
「手段」は、「技術」ではありません。
「遊園地にある迷路」の通り道、解説図を持って歩いていくことを「技術」と言いません。
「手段を経由」しただけです。
「選択した手段」と「技術」を混在すると、「ハンドソーンウエルテッド製法」が神格化されるので嫌っています。ただの選択する採用先なだけです。
「ハンドソーンウエルテッド製法」が作れるということは、その他すべての技術も高いと勝手に思い込むことは間違っています。
技術は、全てがそれぞれに難しさがあるので「ハンドソーンウエルテッド製法ができるから何でもできる」とはなりません。
靴は履く人の体格や歩き方、用途、足の状態によって最適な製法や資材が異なります。
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硬い革か柔らかい革か
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厚い靴底か薄い靴底か
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足に優しい製法か、ドレス感を重視した製法か
履く人の要望、悩みを踏まえて選択することが、履きやすく歩きやすい靴を作る上で重要です。
当教室の良さ
当教室では、「選択して使いこなせる技術力」を重視しています。
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靴としての機能を損なわず、履き心地を最大化する技術で作ります。
- 技術と技術を組み合わせて、より丈夫に作ります。
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セメント製法、マッケイ製法、ハンドソーンウエルテッド製法
左右を揃えて作ること、ヒールの高さを左右合わせてつくることができます。
履きやすさと美しさを両立させるには、製法をなぞるだけの靴ではなく、使いこなす技術力が不可欠なのです。
写真を見るときのポイント
手作り靴の写真を見るときは、次の点に注意してください。
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踵やヒールの高さが左右で揃っているか
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片足の内外で傾きや高さの差はないか
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靴全体が地面にまっすぐ立っているか
見た目だけで「きれい」と判断してはいけません。
「ハンドソーンウエルテッド製法」だから、全てが整っていると判断してはいけません。
当教室では、こうした細かい精度を重視して作っていますので安心して作れます。

まとめ
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製法は手段。重要なのは選んで使いこなす技術力
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履きやすさと美しさは、小さな作業一つ一つの精度から生まれる
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手作り靴写真を見るときは、踵・ヒール・左右差を必ずチェック
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当教室では、精度と技術を両立させた靴作りしています


