自分の学んでいたころの話。
靴作りを覚えたいのに、一足作った段階で「一足作るのに、これくらい時間がかかった。しかもよく分からない。」が分かった。
そうなると、自習、自分なりの考察を深めなければ、自分の予想よりもずっと覚えるまで時間がかかる。
を逆算することができた。
と言うことで、木型があればできる「型紙」「デザイン」は、とにかく やってやって考察してきました。
先生に習ったことでも、しっくりこないこともある。
先生は、それでできるようだが、俺はできる気がしない。
なんでしっくりこないのか。
それさえも、自分で解決するしかない。
「なんか気持ちわるいから」 という感覚を解決したい。
だから、
「先生に教えられたことだから正しい」は、自分のなかで消化することと関係ない。
自分が理解できるか否かだけが大事。
「先生は、そのやり方で作れる」という事実は、自分が理解することと関係ない。
あの頃、木型を抱いて寝ていたくらい向き合った。
寝落ちするのに、木型を抱いている。
だから、どうして ぐずるのか分かる。
どうして、こうなってしまうのかも だいたい分かる。
自分が何度もやったから。
あの頃からずっと思ってますが、
自分のなかで「これ足りないな」って分かっているのに、
何もしないで「先生から教えてもらう日まで待ってる」なんて思っている時間は何も生み出さない。
できないなりにも、考察することは必ずできる。
「習ってないから、分からない」って、お客さんに言えるのだろうか。
できないなりにも、心がプロなら考察すること、自分なりに検証することはできる。
プロになりたいと思う人には、これを強く教えています。
そうは言っても・・・。
プロになりたいと思ったときは、上に書いたことを「私はやれる」と思うわけです。
気持ちが上がっているからね。
でも、一足作る頃には、「やっぱりムリ」なんて思うかも。
靴作りは、簡単じゃない。
靴の形にすることはできても、靴にするのが難しい。
仕事を辞めるという背水の陣にさせたくないのもあって、収入を得ながら学べるようにしてる。
だから入会金も学費も抑えている。
俺の先生に学んだ靴作りをきちんと伝えたい。
その技術で、靴に困っている人が減るといい。