本当に靴を必要としている方。
どこに行っても合う靴が見つからず、歩くことに困っている方。
歩きにくさが、日常の行動や生活の自由を制限してしまう現実があります。
靴職人として、私はその悩みを理解し、解決するために靴を作ります。
「履きやすく」「歩きやすく」「一日中支えられる」靴を形にすることが、私の仕事であり、喜びでもあります。
悩みを解消するために、ひとつひとつ丁寧に技術を使い、素材を選び、形を作り上げていく。
それが、私が靴作りで大切にしている考え方です。
趣味で靴作りを始める方にも、少し意識してほしいことがあります。
右足と左足は同じではなく、同じ人の足でも日によって状態は変わります。
その違いを感じ取り、履きやすさを考えながら作る経験は、靴職人の視点と同じ場所に立っていると言えます。
「この靴を履いたら歩きやすくなった」
「以前より長く歩けるようになった」
そんな言葉を聞くと、靴を作る意味を改めて実感します。
靴作りは、単なるものづくりではなく、歩く喜びを形にする仕事です。
趣味としての時間でも、その考え方や視点に触れることで、作る楽しさが一層深まると思います。